どうも笹村です。みなさん水分補給されていますでしょうか。
私も水を飲み飲み外出していますが、今年も日焼けしそうにありません。
5年前、2014年8月より名古屋支社に来たのですが、その際は駅のホームに「駅そば」がなく、代わりに「きしめん」ばかりがあるという衝撃があり、当時そのことをブログに書いたりしたものです。
以降、私は生来の「そば派」であるにもかかわらず、隠れキリシタンのように信仰心を隠しながら、5年間きしめんをすすっておりました。きしめんのことは好きです。あの太くて平べったい腕に抱かれ、かつお節の香りに包まれるとき、えも言われぬ安心感に包まれます。ああ、私はこの人（きしめん）の女になったんだな、あいつ（そば）と付き合っていたときは燃え上がるような思いをしたけど、サクサクのかき揚げに胸高鳴ったものだけど、本当の幸せというのはこういう安らぎの感情なのだな、と思っておりました。5年の歳月をかけて、きしめんとの間に、玉のような子も授かりました。
そんなある春の日、私はJR名古屋駅の1番ホームで愕然としました。
「天ぷら」「そば」「立ち食い」の文字が目に飛び込み、呆然とホームにたたずむ私。オレンジ色の東海道線快速車両が到着し、風にあおられて麦わら帽子は落ち、白いワンピースと長い髪が強くはためきます。うそ、どうして？名古屋には来ないでって言ったじゃない？私もう、子どももいるのよ？言葉と裏腹に体は立ち食いそば屋「かきつばた」に吸い寄せられ、気が付くとかき揚げそばを泣きながらすすっていました。ああ、細いそばがめんつゆに絡む。かき揚げがサクサクで美味しい。これで500円なんて、最高…。
そばに抱かれているとき、あれほど愛していた、愛していると思っていた、きしめんのことを忘れていました。ああ、もう引き返せない。ああもう、きしめんに合わせる顔が無い。
（つづく）
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