アメリカからの便り
top
看護病院実習
title
今学期は大学2年生の実習を指導しました。
ミシガン大学では、2年生の時に成人看護の講義、演習、病院実習が組まれます。
水曜日に講義と演習、金曜日が実習という感じです。同学期に薬理学の講義も行われていました。学生たちは隔週に試験があり大変そうでしたが、最終的には充実した学期だったようです。日本の大学は入るまでが大変ですが、アメリカの大学は入ってからが大変です。皆週末でも熱心に図書館やカフェで勉強しています。
実習日
学生は日勤帯のナースにつくので、朝は7時にスタート。終了は3時です。
アメリカでは残業が少ないように、講義や実習も時間どおりに終了します。
学生は担当ナースの受け持ち患者のうち1‐2人の担当となり、身体アセスメント、ケア、処置、記録を行います。大学2年生の場合、初めての病院実習なので、当初は血圧測定だけでも緊張していたのが、学期末までには自信をもって患者さんのケアを担当できるようになり、疾病機能の理解も深まっていきました。
教員としての私の役割は、学生の学びをサポートすることです。
ナースとの連携にトラブルがないか調整し、カリキュラムに沿った学びができるように指導していきます。実習中に各学生と30分ほどの個人指導をします。実習最後の45分では、学生を集めて本日の学びを復習し、着実に知識を増やしているか小テストを行ったり、検査値など特定のトピックについてのミニ授業を行います。
日本の実習との比較
自分の経験なのでもう15年以上も前のことになりますが、日本では看護計画、病態生理、基礎ケアに重点がおかれていたように記憶しています。
アメリカの病院実習では、以上に加えて、身体アセスメント、検査値の解釈、優先順位、薬理学の知識が必要になります。これらの知識を総合的に考察するクリティカル・シンキングは最重要課題です。そのため、実習前の準備テストは厳しく、合格するまで学生は実習に出ることができません。
大学2年生のうちに、このような週1日の実習があります。3年生になると実習日が増えて、週2日の実習となり、患者さんの経過をより長期的にフォローすることができます。4年生では、地域と精神実習、集中治療室(准集中治療室)の実習が行われます。
実習写真
実習半ばとなり、少し病棟でリラックスできるようになってきた学生たち。

次回では大学4年生の実習の様子についてお伝えしたいと思います。
では、よい年越しを!
bottom
プロフィール
喜吉テオ 紘子 (看護師、保健師)
現在、ミシガン大学の看護学部に臨床助教として勤務。
(株)メディカル・ コンシェルジュのアドバイザリー・ナースとしても活躍中。
詳しくはこちら
アーカイブ

アメリカからの便り
right