クラス・ディスカッションの突破方法
今回は、カルフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)の大学院に授業、とくに日本人にとってネックなディスカッションのクラスについてお伝えしたいと思います。
大学院の授業
UCSF大学院の授業は、週2・3日(一学期8〜12単位取得にて)にまとまっていました。仕事や家庭との両立を可能にする意味もあって、このようなスケジュールになっているようです。看護管理学専攻の私は、財務管理、人事管理、医療政策概論、戦略的医療マネジメント、組織論、情報学、疫学、研究方法などを受講しました。
授業の形式は、生徒が80人程度の講義形式と10−20人のディスカッション形式に分かれました。看護管理専攻のクラスは、学生数が少ない(5人。参考までに、修士1学年は約130人。)こともあって、少人数のクラスの方が多かったです。講義形式の場合は、パワーポイントが使用され、事前に資料が配られました。クラスの成績は、1学期に数回に渡っての課題、レポートやプレゼンテーションによって評価されました。
ディスカッション
授業の中で最もチャレンジングなのは、やはりディスカッション形式のクラスです。それは、評価がクラス参加度、つまり、どの程度授業のトピックに関して意見を述べることができるかによるからです。受身の講義形式の授業に慣れている私としては、先生の意見に疑問を呈したり、意見を持つことにさえ、当初は大変な違和感を感じました。
私は小学校・中学校とアメリカで暮らした経験があり、英語は比較的自由に話せますが、それでも、ディスカッションで意見を述べるのは簡単なことではありませんでした。自分なりに理由を考えた結果、話のテンポの違いに気付きました。日本の場合ですと、一人が意見を述べると、他の人は、その意見を飲み込んでから、意見する場合が多いですが、アメリカでは、話しているそばから意見を声高に言う人も少なくありません。日本では、アグレッシブすぎる、失礼と思われがちなことも、アメリカではそうでもない様です。発表したい意見、思いがあれば、早い者勝ちという感覚があります。ひどい場合ですと、会話をしているように見えても、お互いの意見を聞くのでなく、ただ言いたいことを言っていることもあることに気付きました(私の同級生2人がそうでした。さすがにその2人とは仲良くなりませんでした)。
授業の話に戻りますが、ディスカッションのクラスは体力を要します。話のペースに慣れていないと、周りの勢いにひるんでしまい、「でも、発言しなければ!」とあせり、疲れがどっと出るからです。あたふたしている間に、時間は過ぎ、発言しそびれて、授業が終わってしまいます。アメリカでは、指名されて意見する場面も少ないので、自発的に発言しなければ、意見がないのだとみなされ、理解や興味の程度まで疑われてしまいます。
それなので、ディスカッション形式の授業を突破することは非常に重要なのです!
私なりのディスカッション突破方法の心得は以下のようなものです。
(その1)1回は発言する
クラスで一回は発言(質問を含む)を心がけました。そうすることにより、授業(発表)を聞いている際でも気になることがあれば、メモをとったり、質問を考えたりすることに繋がりました。
(その2)意見を述べるよりまずは疑問を呈する
疑問の方が、文章は短いですし、意思疎通が簡単です。これは、再説明をお願いしてもいいですし、発表でふれたトピックについて、具体的な質問をしてもOKです。どのような質問・意見でも、ほとんどの場合ウェルカムされます。うれしいことに、時には「Good question!」と褒められる場合もあります。
(その3)1番に質問をする
始めのほうでしたら、他の人の意見に影響されることなく話せます。そして、大体の場合、発表者は質問・意見を喜びます。聴講者からのフィードバックにて、より深くトピックについて考察できるからです。
最後に
初めのうちは、他の人が英語で意見をしているだけで、すばらしい事を述べているように思えるかもしれません。しかし、それは幻想で、ただ単に自分の経験を話したがる、またはトピックと全く関連性がないことを言う人も多いです。堅苦しく考えず、授業内の発言の機会を、自分の英語と度胸(!)の準備と捉えて、前向きに捉えていくとよいと思います。それに、発表者と、その内容について知的な会話をすることができたら、すばらしいじゃないですか!
もし発言の内容が非常に個人的であったり、複雑である場合はクラス終了後や休み時間に聞くことも手です。