アメリカからの便り
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経済難の波
もう3月になりました。日本は少しずつ暖かくなっている頃でしょうか?
お花見が楽しみな時期になりますね。また、新人さんが入社してくる時期でもありますね。フレッシュな感覚が眩しく見えることでしょう。
アメリカで、3月と言えばセント・パトリックデーのお祝いぐらいです(アイルランドの祝日。一般的な理解としては、緑色の服を着て、ビールでお祝いする日です。都市によってはパレードなどもあるようです。)私は、3月末の一週間強の春休みを楽しみにしています。
季節は晴れやかになっていますが、経済状況は日米共に非常に厳しいようですね。
アメリカのニュースでも、日本は節約や貯金ばかりで消費が少ないと報道されていました。その例として、日本の家庭では浴槽のお湯を洗濯に使ったりすることが紹介されていました。そういえば、浴槽のお湯を洗濯に再利用する専用ポンプのことを思い出し、日本では節約の文化が進んでいるなと改めて感じました。アメリカでは、消費から節約の文化に移行しつつあるところでしょうか。友人いわく、日本では壊れない製品を作ることを目標にするけれども、アメリカでは壊れたならば新しいのを買えばよいとの感覚だそうです...ものすごいギャップですね。それでも、この経済状況を受けて、またエコへの意識向上から、節約が見直されています。
この経済状況、医療業界は大丈夫と思っていましたが、最近は厳しい内容の社内メールが飛び回っています。あるアメリカ中西部の大学病院では、財政難で病棟が一部閉鎖され、研修医の受け入れが減り、救急救命センター(無保険者の唯一の医療への窓口)の利用者の制限する、などの苦しい処置がとられたようです。私が勤めるUCSF大学病院でも、臨床スタッフ以外(つまり事務職)の採用は打ち止め、また正社員の労働時間数を減らす活動も行われています。この時期をどう乗り切るか、どの病院も頭を悩ませているようです。個人的には、仕事も続けられ、博士課程も継続できる状況をありがたく思う今日この頃です。また、こういう時期だからこそ、社会の動きに敏感になり、自分の能力を高めることが更に重要になってくるのでしょうね。

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プロフィール
喜吉 紘子 (看護師、保健師)
1977年10月生れ、10〜14歳までをアメリカで過ごす。
聖路加看護大学を卒業の後、およそ3年間虎の門病院に勤務。
カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)大学院にて修士号取得(看護管理学)。
現在、UCSF大学病院・治験病棟にて臨床看護師を務める傍ら、病院の看護研究/教育部の助手として も関わりを持つ。
今後の時代を睨み(株)メディカル・ コンシェルジュのアドバイザリー・ナースとしても活躍中である。

「アメリカからの便り」
開設にあたって・・・

この度『アメリカからの便り』を開設するにあたって、病棟勤務、看護研究、翻訳業務などにて多忙を極める喜吉紘子さんに快くご協力頂きましたことを感謝いたします。
医療・看護に携わる全国の医療従事者の皆様方に向けて、今後の参考と励ましになれば嬉しく思います。

※ このサイトは月1回のペースにて書き換えをいたします。
尚、喜吉紘子さんは2007年9月よりUCSFの博士課程に進学致しました。
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