アメリカからの便り
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「歩いても歩いても」
先日、最高に素敵な映画に出会いました。
是枝裕和監督の「歩いても歩いても」。英語タイトルは「Still Walking」です。
年に一度、サンフランシスコでは国際映画祭が催されます。
日本からの映画も上映されることも多く、去年は当日券を得るために列に並びましたが、結局見れずじまいでした。今年は、リベンジ!と前売り券を購入。
「歩いても歩いても」の劇場はほぼ満席で、当日券待ちの人が行列を作っていました。
ワクワクして待つ中、周りは見回すとほとんど白人です。
日本の映画ですが、日本人が特に多いわけではありませんでした。
劇場が暗くなり、いよいよかと思っていると、なんと是枝監督ご本人がご挨拶を!
まったく予測していなかっただけに感激!この映画は、監督の亡き母親への思いを込めて作られたと話されました。
いよいよ上映です。シンプルなアコースティックギターの音楽が流れます。
別にホームシックなことはなかったのですが、懐かしい日本の町並みがスクリーンに上映され始めると胸が熱くなりました。日本に住んでいるときはなんでもなくても、遠くに離れていると非常に愛しく感じるのです。
台所で調理しながら、親子が変哲もない(けれでもよるある)会話をしています。笑えます。台所が祖母父の昔の家とそっくりです。懐かしさがこみ上げてきます。両親、祖父母のことを思いました。サンフランシスコで、満席の劇場で、日本の映画(英語の字幕)が見れることも感動要因となり、映画スタート15分で胸がいっぱい...
この映画は、「家族」「人間」のいい所も隠したい所も、愛情をもって丁寧に描いています。まったく気取っていないのです。内容がとてもストレートなのです。シンプルだけど深いのです...そして映像もまた美しく...
ぜひぜひ皆さんに見てもらい映画なので、詳しいことは書きませんが、
人間くささが好きな人にはお勧めな作品です。監督は、この映画は日本人じゃないと理解できない内容が多いと考えていたらしいのですが、海外での反響が大きく驚いていると話されていました。家族に対する複雑な思いは、国境を越えて共通するもののようです。
「人間くささ」はやっかいでもありますが、やっぱり魅力的ですね。生きてるって感じがして。だから、私は医療という現場が好きなのだと思います。病という人生の一大イベントを通して、その人となり、また家族関係が本当に表れますからね。
注:これは私が勝手に映画の宣伝をしているだけです。残念ながら宣伝料は頂いておりません(笑)
映画のホームページ
http://www.aruitemo.com/top.html
サンフランシスコ国際映画祭の「歩いても歩いても」の紹介(英語)
http://fest09.sffs.org/films/film_details.php?id=85

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プロフィール
喜吉 紘子 (看護師、保健師)
1977年10月生れ、10〜14歳までをアメリカで過ごす。
聖路加看護大学を卒業の後、およそ3年間虎の門病院に勤務。
カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)大学院にて修士号取得(看護管理学)。
現在、UCSF大学病院・治験病棟にて臨床看護師を務める傍ら、病院の看護研究/教育部の助手として も関わりを持つ。
今後の時代を睨み(株)メディカル・ コンシェルジュのアドバイザリー・ナースとしても活躍中である。

「アメリカからの便り」
開設にあたって・・・

この度『アメリカからの便り』を開設するにあたって、病棟勤務、看護研究、翻訳業務などにて多忙を極める喜吉紘子さんに快くご協力頂きましたことを感謝いたします。
医療・看護に携わる全国の医療従事者の皆様方に向けて、今後の参考と励ましになれば嬉しく思います。

※ このサイトは月1回のペースにて書き換えをいたします。
尚、喜吉紘子さんは2007年9月よりUCSFの博士課程に進学致しました。
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