イタリアで精神科の世界を覗く
私は、なぜイタリアかというと、夫のWorld Association of Cultural Psychiatryの学会に同行したからです。でも私は気ままな旅行気分♪
学会開催地はNorciaといって,14世紀の情景が色濃く残っている人口5千人にも満たない小さな町です。トリフとプロシュート・ハムの名産地です。


World Association of Cultural Psychiatry
日本からは5−6名の精神医療の医師や研究者が参加されていらっしゃいました。
好奇心旺盛の私は、旅行気分だったのですが、興味に押されていくつかの講義に参加してきました。面白かったのは、「文化、ユーモア、精神医学」の講義でした。ユダヤ人、メキシコ人、日本人(講師:NTT東日本関東病院の秋山先生)、フランス人についてのユーモアの特徴について講義がされました。精神療法におけるユーモアの活用方法の話はでませんでしたが、メキシコ人はユーモアは「皮肉」が多く、死をよく笑いの対象とすることや、ユダヤ人は「自己中傷」的な内容のユーモアが多いことなど、発見が多い内容でした。
他に興味深かったのは、労働安全衛生総合研究所の倉林先生による30歳代の日本人におけるうつ状態についての講義でした。ニートやフリーターといった言葉も紹介されました。日本は産業保健が発達しているので、うつ状態の早期介入がしやすいと思うのですが、30歳代のうつ状態は増加しているようです。
30歳代のストレス
うつ状態だけでなく、働き盛りになる30歳代はストレスによる影響を受けやすい年代です。私の友人も日常的な吐き気や頭痛だけでなく、胃出血などの症状に危機を感じて私に相談してくれました。話を聞くと、夜は遅くまで、週末も仕事をしているとのことです。
仕事からのストレスに対して「体」が悲鳴を上げているんだよ、と伝えました。
このように「頭」では仕事は無理しない範囲でやっていると思っても、頑張り気質の人はついつい無理をしてしまって、体が悲鳴を上げることは少なくないと思います。そんな時は、体のメッセージをちゃんと受け取って、今後のためにも休息をとることが必須です。
私の体のメッセージは偏頭痛です。1-2年前から突発的に発生する偏頭痛は、無理している時になるのが分かりました。そういう時は頑張り通さず休みます。そのほうが無理をして非効率的になるよりも、気分的にも肉体的にも楽になります...
そう、シエスタ(昼休憩)を今でもとるイタリアの地から、日本のみんなを心配してました!
私はそんな真剣な考えもしつつ、ちゃんと自分の休息もとりました。
イタリア料理も学びましたし、ローマではコロシアムなど観光地を巡って、パスタをいっぱい食べて、ワインも飲んでと...
今年のノーベル生理学/医学賞を得たUCSFのブラックバーン博士も言うように、
「いい成果のためには休息が必要!」と。
私は大賛成です。