アメリカからの便り
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初めての募金活動
今回の東日本大震災のことを受けて、多くの医療者の方はいてもたってもいられない気持ちだったと思います。
私も例外でなく、医療者仲間とどんなことができるか話し合いました。
そして、多くのアメリカ人の同僚、友人たちから家族は大丈夫か、どこに募金したらいいか聞かれました。UCSF大学、UCSF大学病院からも支援のことを聞かれました。
募金先として一般的なのは日本でもアメリカでも赤十字です。ただ、私はなるべく被害者に近いところの活動、そして看護の活動を応援したいと思いました。そこで、福島市、仙台市、東北関東大震災大学病院のウェブサイトから、募金を受け付けているのか、海外から送金ができないか調べていきました。多くの場合、個人単位での募金は受け付けているのですが、電話連絡先が書いてあるのみ受付制度はあまり整っていない印象でした。口座情報が書いているところはほとんどありませんでした。英語での情報は皆無でした。
色々考えた結果、看護師の派遣や、他の医療機関・行政機関との調整の中で中核的な立場である日本看護協会の災害支援活動を応援することにしました。その際、看護協会のウェブサイトには英語で災害支援のことが書いてあったこと、また認定災害看護師の活動などが2〜3日おきに報告されていたので、お金がどのように利用されるのか明確だったこともこの決断に役立ちました。
日本看護協会のウェブサイトから。東北関東大震災支援活動の様子。
初めての募金活動
http://www.nurse.or.jp/home/saigai/saigai.html
せっかくなので、日本を支援したいと思っている友人たちも巻き込んでと思い、 募金集めを始めることにしました。震災後、数週間たっていましたが、友人、同僚80人ほどに声をかけたところ、1ヶ月で30人の参加があり、目標金額に達することができました!
それにしても、友人たちのやさしさが身にしみました。募金をお願いするのに気が引けたのですが、多くの人が、募金活動を感謝してくれました。自分はまだ若いから、そんなに稼いでいないから。なんとでも口実をつけて募金活動に参加しないことができます。今回参加してくれた人たちは、研修医、学生、自営業、定年退職後と、多岐の人にわたりましたが、それぞれ自分にあったレベルでの募金をしてくれました。「できる」ことから。そんなベーシックなことの大切さが身にしみました。
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プロフィール
喜吉 紘子 (看護師、保健師)
1977年10月生れ、10〜14歳までをアメリカで過ごす。
聖路加看護大学を卒業の後、およそ3年間虎の門病院に勤務。
カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)大学院にて修士号取得(看護管理学)。
現在、UCSF大学病院・治験病棟にて臨床看護師を務める傍ら、病院の看護研究/教育部の助手として も関わりを持つ。
(株)メディカル・ コンシェルジュのアドバイザリー・ナースとしても活躍中。

「アメリカからの便り」
開設にあたって・・・

この度『アメリカからの便り』を開設するにあたって、病棟勤務、看護研究、翻訳業務などにて多忙を極める喜吉紘子さんに快くご協力頂きましたことを感謝いたします。
医療・看護に携わる全国の医療従事者の皆様方に向けて、今後の参考と励ましになれば嬉しく思います。

※ このサイトは月1回のペースにて書き換えをいたします。
尚、喜吉紘子さんは2007年9月よりUCSFの博士課程に進学致しました。
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