【ホンダイズムを勉強中】

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営業担当の加藤です。仙台でも、インフルエンザの流行の兆しが出ており、既に学級閉鎖の小学校もあったようです。皆様、手洗いとうがいの徹底で、インフルエンザや風邪を撃退しましょう。

さて、私は最近ホンダ創業者の本田宗一郎氏の本を読み漁っております(「俺の考え」、「本田宗一郎の哲学」)。自分がクルマにあまり関心が無いため、自動車関連の本は避けてきた気がします。ただ、自動車産業は世界に誇る日本経済の中核であり、トヨタがGMを抜き世界一になろうとする今、食わず嫌いはいけないと、自動車関連の本に手を出しています。「能力構築競争〜日本の自動車産業はなぜ強いのか〜」藤本隆宏著(2003年 中公新書)を読んでみたのが、そもそものキッカケでした。カンバン方式、カイゼン、摺り合わせ等、その歴史的な生成プロセスを丁寧に解説しており、「擦り合わせてつくりこむ」現場の競争力こそが、20世紀後半の日本の自動車産業を支えてきたとのこと。

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車好きの人と話すと、ホンダ社を好む方が多く、そのエンジン、F-1の歴史など、熱く語ってくれます。トヨタ、日産または外国車と比べ、ホンダには独自のこだわりがあり、人を惹きつける魅力があるようです。そもそも二輪車で世界を席巻し、自動車でも1963年からの参入で国内最後発ながら次々とヒットを飛ばし、世界戦略でも独自路線、一時は日産も抜くまでに業績好調・・・。その背景を探りたいというちょっとした思い、その創業者の本田宗一郎氏の本を読み始めたのでした。

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いずれの本も、読むと元気が出る本で、

「ホンダイズム」
の原点が垣間見えます。「俺の考え」(本田宗一郎氏 著 愛蔵版200)という本は元々は昭和38年に刊行されたものですが、その内容は現在にも通じる真理ばかり。油まみれの工場内で、膝を突き合わせて話を伺っているような雰囲気。大変さわやかな口調で、痛快な話が続きますが、その奥には経営の原点やその発想法が垣間見えます。おやじ(本田宗一郎さんのことを社員はそう呼ぶ)の話し方は経営者・ビジネスマンというより、まるで芸術家のよう。おやじも自分のことを技術屋と言ってますが、技術も芸術もArtだから、何となく納得できます。実は画家のシャガールとも交流があったとのことで、その人間的な素養の深さも感じられます。

「俺の考え」の一部の章立てを紹介すると、
◆人生は信用とカネの天びん棒
◆人づくりは「ジョーク」から
◆「思想」を忘れた最低企業
◆デザインと芸術はどこが違うか
◆仕事を前進させるムードをつくれ

「本田宗一郎の哲学」(2003年)は、本田宗一郎研究での著書が多い、著者(梶原一明氏)が「ホンダイズム」の原点に迫った本。同族経営の否定(身内は会社に入れない)、67歳であっさりと社長を引退した潔さ(若さを重視する社風)、財テクとは無縁の経営手法、技術勝負へのこだわり・・・。天才技術者 本田宗一郎(と生涯の名パートナー藤沢武夫)が残した「遺伝子」を余すところなく紹介しています。

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ホンダのHPで経営理念を見ると、その運営方針は以下の通りで、ホンダイズムが継承されていることがわかります。

●常に夢と若さを保つこと。
●理論とアイディアと時間を尊重すること。
●仕事を愛しコミュニケーションを大切にすること。
●調和のとれた仕事の流れを作り上げること。
●不断の研究と努力を忘れないこと。

我々が携わっている医療・福祉業界と自動車産業とは関係無いように見えますが、生命に直結する点、品質管理、「人づくり」(人材育成)の視点については、参考になる部分は多々あると思いました。ご興味のある方は、ぜひご覧になってみて下さい。

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