【食料自給率】

皆さんこんにちは。
広島支社の利元です。

日増しに秋も深まり、朝夕は寒ささえ感じる頃となりました。
皆様体調など崩していらっしゃらないでしょうか?

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季節が変わりましたが、今年の夏は自然災害の多い年でしたね。
中国地方でいうと、広島・岡山の被害は特に大きかったです。
我々の日常生活もそうですが、
自然を相手に商売をしている方々、
農作物等の生産者様はさぞ大変だったかと思います。

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生産と聞くと、食料自給率を私は思い出しますが、
日本の食料自給率は世界的に見て低い!としばしばメディアから報道されていますね。

2016年の農林水産省が発表している総合食料自給率は38%、
ヨーロッパと比べると、ドイツ95%、イギリス63%、イタリア60%とあるので、
こう比べると非常に心配な数字です。
しかし、これはカロリーベース食料自給率の数値なのを、ご存じでしょうか。

これとは別に『生産額ベース食料自給率』という指標もあるのですが、
こちらはメディアで報道されることがほとんどありません。

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生産額ベースでの日本の食料自給率は65%、同設定のヨーロッパ比較ですと、
ドイツ70%、イタリア80%、イギリス58%と日本はヨーロッパ諸国とあまり差がないことがわかります。

この2つの食料自給率の違いですが、
まず『生産額ベース食料自給率』とは、食料の国内生産額を食料の国内消費仕向額で除したものになります。
一方カロリーベース食料自給率は1人1日あたり国産供給熱量を1人1日あたり供給熱量で除したものです。

少々わかりにくいですが、ざっくりまとめると実際の生産量ベースが前者、
国民が消費するベースで考えているのが後者となります。
カロリーベースでは、国産品の消費量(食べる量)を増やすと
食料自給率が上昇する仕組みです。

またどちらの指標でも『畜産物については、国産であっても輸入した飼料を使って生産された分は国産には参入していない』と表記があります。
これは国内で産み落とされた卵は、鶏が食べる飼料が輸入ものだと、その鶏が産んだ卵は国産とはカウントしないということです。
この指標により、食料自給率はさらに低い数値を表すことになります。
飼料自給率を反映しない食料自給率は、
『カロリーベース:38%⇒46% 生産額ベース:65%⇒68%』まで上がります。

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生産額ベースの食料自給率がマスメディアにほとんど報道されないのは、
驚きがないとニュースにならない諸事情が絡んでいるのでしょうが…
いたずらに不安をあおる報道には考えるものがあります。

農水省のHPでは生産額ベースの数字も発表しているので、
興味のある方はご確認ください。
http://www.maff.go.jp/j/zyukyu/zikyu_ritu/011.html

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