【無名選手の夢物語】

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こんにちは。田邉です。
本当にたまたまでしたが、深夜、ウィンブルドンテニスの試合を見ていたら、
こんな組み合わせもあるんだと驚いていました。翌日のニュースで、夢物語も幕と題されていましたが、無名選手が快進撃と紹介されていました。

ニュースでご覧になった方もいらっしゃると思いますが、主役は世界ランキング772位のマーカス・ウィリス選手。予選6試合を勝ち上がり、本戦出場権を手にして、1回戦で世界ランク54位の選手を破り2回戦進出。これだけでも奇跡だそうです。
2回戦の相手は、世界ランク3位ロジャー・フェデラー選手。グランドスラム史上最多の300勝を先日の全豪で果たし、ウィンブルドンも5連覇するなど芝の王者と言われる最強のプレーヤー。かたやウィリス選手は、日頃プロ選手としての活動ではなく、母国イギリスの小さな町で子供から大人までテニスを教えるコーチをしているそうで、プロ選手として今年稼いだ賞金は約3万円。ケガもあり、プロとしてあきらめていたところを恋人の後押しで、もう一度挑んだら、あれよあれよと快進撃を続け、1回戦で勝利までおさめ、賞金600数十万円を獲得。で、フェデラーと対戦。しかも、聖地センターコートでの試合。満員のスタンド。こんなに重なることもあるんですね。

スタンドの声援と視線が全てウィリス選手に向けられ、彼の動き1つで大歓声。試合前のコートの彼は、終始ニコニコ顔でその場に立っていることがうれしくて仕方なくて、楽しくて楽しくてたまらないという雰囲気が全身から本当に伝わってきました。
ポイントが取れるのかという雰囲気の中、フェデラーのミスで初ポイント、ガッツポーズで大歓声。今度はラリーから自らのリターンで決めると、試合に勝ったくらいの派手なポーズを決める。それでも1セット目0−6。サービスキープもできないかと思いきや、2セット目、がむしゃらに挑んでいるのを感じ、ボレー、サービスエースも決まりキープ。本人の喜びよう、ファミリーボックスの家族と恋人の喜びよう。周囲の人にとっても夢物語。一方、フェデラーも研ぎ澄まされた、本当に華麗で無駄がなく速い動きとギリギリに決まる正確なショット。私、テニスはよく分かりませんが、あまりに対照的すぎる動きで、クールに、決して手を抜かないでプレーするフェデラーもめちゃくちゃスマート。かっこいい。それぞれの1プレー1プレーを見ていて、お互いの敬意を感じ、深夜なのに本当に清々しい気持ちでした。

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テニスの神様がウィリス選手に降りたというか、解説者の方も、自分が教えているほぼ同じくらいの世界ランクの選手の励みにできますと話していましたが、チャレンジし続ける、あきらめない姿勢にはやっぱりいつか何か良い贈り物があるんですね。試合後のウィリス選手。「何を言っているんだと思われるかもしれないが、負けてがっかりだ」とコメントしたそうです。プレーヤーとしてやるからには勝つという気持ちに魅せられてしまいました。
まだまだ続くウィンブルドン。サッカーはユーロ、夏はリオオリンピック。忘れちゃいけないイチローの3,000本安打。また、たくさんの感動ストーリーで、気持ちも高められるといいですね。

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