【富山の薬売り】

_

こんにちは、さいたま支社の松下です。
寒い日が続いておりますが、皆様体調はいかがでしょうか?
私はと言うと最近風邪気味で、マスクが手放せない状況になっています。
幸いインフルエンザでは無いようですので一安心ですが、仕事柄老人施設にもお伺いする機会がありますので、自分が原因で病気を拡散させないよう気を使う日々が続いています。

インフルエンザと言えば最近個人的にも注目しているうれしいニュースがありましたね。
富士フイルムホールディングス傘下の富山化学工業が開発した錠剤「アビガン」(一般名・ファビピラビル)が、エボラ出血熱の有効な治療薬として世界的な注目を集めている、というニュースです。ご存知の方も多いかもしれませんが、この薬は本来「抗インフルエンザ薬」として開発されましたが、その効果が今までの薬と違いエボラを含めた多くの感染症に有効らしいとの事です。

富山化学工業は地方の製薬企業ではありますが、以前より開発力には定評があり、世界への販路を広げるため富士フィルムの傘下に入ったという経緯があるそうです。その相乗効果が思わぬ事から世界的なニュースになったという事でしょう。

富山と言えば「富山の薬売り」が有名ですが、17世紀頃から富山藩主主導のもと創薬業を始めたそうです。その頃の薬としては有名な合薬「富山反魂丹」があります。もともと富山藩が創薬業に着手したのも、藩の財政難を解消するために新しいことにチャレンジしたという事ですから、今回の富山化学工業と似たような経緯があります。その富山の薬売りのDNAが今度は世界中の人々の命を救うかもしれない、こんな壮大な事は富山のお殿様も想像すらしていなかった事でしょうが、同じ日本人としては少し誇らしい気がします。アビガン錠はまだ臨床試験の段階だそうですが、現時点でかなりの効果を発揮しているそうです。今後もこのニュースについては自分なりに追いかけて行こうと考えている次第です。

ちなみに富山の薬売りの基本理念として「先用後利」というものがあります。「用いることを先にし、利益は後から」という意味なのですが、富山藩主の訓示「用を先にし利を後にし、医療の仁恵に浴びせざる寒村僻地にまで広く救療の志を貫通せよ。」というものから来ているそうです。アビガン錠がエボラの特効薬となれば、まさに志を世界に向けて実践という事でしょうか。

もう少しで春です、健診シーズンが始まります。
例年のようにまた皆様のご協力を頂ければと思っておりますのでよろしくお願いします。

.

.

.

.

.