皆さんこんにちは、
恵比寿本社の永尾です。
先日、横浜市内の古民家を訪れる機会がありました。
ちょうど十五夜のお供えがされている時期にあたり、
囲炉裏端の小さな机にススキ、お団子、季節のフルーツや野菜などが丁寧に盛られている様は、重厚な古民家独特の雰囲気も相まって、しっとり美しいあしらいとして来場者を楽しませていました。
しかしその中に、見慣れないお供えがひとつ・・・
なんと、お豆腐でした。
冷奴のように薬味等が添えられているのでもなく、
食べやすいようにさいの目に切られているでもなく、
水切りして器に入れただけの、真っ白な四角いお豆腐でした。
不思議に思い調べてみると、どうやら神奈川県(とくに県央)では
一般的なお供え物なのだそうです。
お豆腐そのものの代わりに、お豆腐入りの汁物を供えることもあるのだとか。
これは「中秋の名月にススキを飾り、生り物や豆腐(大豆)を供え、
大地の恵みに感謝を表した」という、十五夜古来の風習にちなんだものだそうです。
大豆は秋が旬とのことなので、果物や野菜などの「生り物」の一つという位置づけだったのでしょう。
詳細な情報は他に見つからず、なぜ他の地域ではお豆腐をお供えする習慣がなくなってしまったのか、なぜ大豆でなくお豆腐をお供えするようになったのかは不明ですが、古い習慣の残る古民家の片隅で、先人達のお月見にしみじみと思いを馳せた週末でした。
実りの秋に旬を迎える大豆!
この秋はお豆腐を“旬の味覚"として堪能してみるのはいかがでしょうか?
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