どうも、笹村です。秋ですね。モミジを狩ったり、キノコを狩ったりに良い季節ですが、私は魔女狩りに出かけました。
いや、名古屋市内のイベントとして「魔女のハーブ講座」みたいなやつを発見してしまったのです。どういうことなんだ…？魔女って、ほんとにいるのか…？
私の頭の中には二つのタイプの魔女が浮かんでいます。
一つは、「ねるねるねるね」のＣＭに出てくる魔女。
恐らく、
魔女「ねるねるねるねは イヒヒヒ… 練れば練るほど色が変わって…こうやって つけて… うまい！」
客「テーレッテレー♪」
魔女「練っておいしい ねるねるねーるね♪」
というくだりを皆で声を合わせてやることになると思います。私は良きタイミングで「テーレッテレー♪」が言えるし、なんなら人より上手にできると思うし、最終的にみんなでねるねるねるねを食べておいしーね、最高だね、となってハッピーエンド。
これなら何の問題もありません。
もう一つは、�爛�チの魔女”です。たとえば、ヘンゼルとグレーテルの中に出てくる魔女。お菓子の家に住んで子どもをおびき寄せ、とらえて、太らせ、最終的に燃える釜戸にブチ込んで焼いて食べるのが目的という、なんていうんでしょうか、警察事案というか、もし、このタイプの魔女が公開講座をしている場合…。いち名古屋市民として、そのようなマジモンの魔女を野放しにしてはならない。どげんかせんといかん！正義のために立ち上がり、正規の手続きによって、その「魔女のハーブ講座」みたいなやつに申し込みました。当たりました。
ならば、狩らねばなるまいて。
「支社長、週末出かけるんですか？」
「ハーブの魔女に会いに…」
「ハーブ？脱法のやつですか？」
若手社員の私へのイメージもどげんかせんといかんですが、今は、魔女。
燃える釜戸にブチこまれそうになったとき、土俵際で逆転できるようにＮＨＫで大相撲秋場所を見てイメージトレーニング。こうきたらこう、こうきたら上手をとって、こう投げる。マワシをつかまれたらこうやって切る。よし。完璧だ。
当日。会場がまあまあの森の中にあってかなりドキドキしましたが、結論から言うと魔女はどちらのタイプでもなく、「普通の女の人」でした。
自称魔女の方、見た目普通の女の人は、ハーブを使った保湿クリームだとか、ハーブを使った美白効果つき美容液などの作り方を教えてくれると言っています。えっ、そうなの？美容とかそーゆーやつなの？
ふと周りを見渡すと、参加者は全員女性であり「…もしかしてやっちゃった系か？！」と内心ザワつくも、ここで変にうろたえると不審者感がアップしてしまうと判断し、参加者最高齢と思われる70過ぎぐらいのおばあさんの隣にすっと席をとり、普通に参加しました。うんうん頷いたりしながら。こういうときは堂々とするに限ります。
でも興味が持てなくてヒマだったのできょろきょろしてると、隣のおばあさんが、先生が話の合間に回して見るようにと配ってくるサンプルのハーブとか大量にガメているのに気付きました。なんともはや、たくましいおばあさんです。
そして宴もたけなわ、自称魔女がいろいろとハーブをうまいことアレして保湿クリームの素みたいなやつを作ります。それを、参加者各自がもらった容器に移し替えて「みなさんお土産に持ち帰って下さいね♪うふふ」みたいな流れなのですが、参加人数分しか分量ありませんので、「容器の8分目ぐらいまで入れて次の人に回すように」という自称魔女から指示が。そうしないと全員行きわたらないのです。なぁーるへそね。
……。
…（隣のおばあさんを見る）。
…まさかな…いや…。
……。
しかし、恐れていたことが起こりました。
私の隣のおばあさんは「おっとと…」と言いながら自分の容器に保湿クリームの素を全力投入、8分目どころか150%ぐらいの勢いでいってしまい、勢いよく溢れ、あたり一面クリームの素の海。そして後ろの方からは小学生の娘を連れてきたお母さんが「私の分が足りません！」と悲鳴をあげております。
「出やがったな、魔女め！！」
マワシを締めて立ち上がった私は、おばあさんとがっつり組み合って上手投げを決め、自称魔女の方が「それまで！ テーレッテレー♪」と軍配を上げ、私は蹲踞（そんきょ）のまま右手で「心」と書いてハーブをわっしと掴んで帰っていく…
というのは冗談で（人並みに敬老マインドを持ち合わせております）、実際のところは大丈夫ですかと声をかけつつ、おばあさんを手伝って机を拭いたりしました。
でも私は確かに魔女を見ました。
自分の容器にできるだけたくさんのクリームをブチ込もうとするおばあさんの瞳の中に。
自分さえ良ければ後の人が困っても構いやしない、現代の魔女の姿を。
さて、皆さまの職場には魔女はおりませんでしょうか。
「投げてくれ」という相談には乗れませんが、魔女が少ない職場に転職したいというご相談なら乗れますので、お気軽にお問い合わせください。お肌をつやつやさせながらお待ちしております。
.
