【有心と無心の世界】

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こんにちは 浜本です。
紅葉が綺麗な季節になりましたね。お天気の良い日も多く、まさに行楽シーズンですね。
一方で、新型インフルエンザの影響により、各地でイベント類が中止・延期になっている話も耳にします。

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秋のイベントというと、何故か「茶会」が頭に浮かんでしまいます。
茶会そのものは、春夏秋冬どの時期にもありますが、私は秋の茶会が一番好きです。茶道の言葉「和敬清寂」という言葉が一番しっくり馴染む気がします。
(私は稽古を離れて随分経つので、お稽古されている方・ベテランの方から見れば理解が「浅い」と思いますが・・・)

出られたことがある方はご存知かと思いますが、大寄せ(略式)ではなく正式なスタイルの茶事となると、待合→寄付→初座→中立→後座→退席という流れをとり、だいたい4〜5時間かかります。
お客側の目線で簡単に言うと、身支度・お清めをする→茶室に入り床・釜を拝見→亭主に挨拶→炭手前を拝見→懐石を頂く→小休止→濃茶を頂く→薄茶を頂く、という流れです。

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茶事・茶会ではそれぞれテーマを決め、床の花、掛軸、香、茶道具、菓子など全てそのテーマに合うものを選び、用います。「今日のテーマは○○です」ということを直球で伝えることはなく、道具や花、菓子などでそのテーマをお客様に感じ取って頂けるように設えます。侘び・寂びの世界であるがゆえ、何でも飾れば良いというものでもなく、「さりげない」演出が大切です。
趣向を凝らす上では、茶事に関わる全てのことにある程度以上の知識がなければならず、その点で考えると茶道がもともと(教育を受ける機会のあった)上位階級者・武士のものであったのもわかる気がします。
客側が亭主の有心を受け止め、楽しんでこその茶事ですから、客側も同様に亭主の趣向を感じ取り、理解することが必要となります。茶事では、亭主との会話は殆ど「正客」(お客の中のリーダーのようなもの) となされるため、正客はベテランの方にお願いするのが一般的です。

茶席で大切なのは、有心(趣向をこらす)を楽しむだけではなく、点前にて「一期一会」の心で最高の一服をお客様に差し上げ、客側もその一服を心から味わうことです。無心で点前に集中していると、釜の湯の煮える音だけが気持ちよく聞こえ、清清しい気持ちになります。

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何だか難しそうな話になってしまいましたが、茶席で「こんな趣向が!」という発見ができたり、亭主と正客の会話を聞いているだけで何となく自分が賢くなった気になれるのも楽しいものです。(実際は気分だけですぐ忘れてしまうのですが^^; )
「興味あるけど敷居が高そう」という方は、大寄せの茶会(略式)なら時間も短く、雰囲気だけでも十分楽しめますよ。

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