【厄介な冬の乾燥】

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皆さんこんにちは、仙台支社の奈良です。
立春を迎えましたが、まだまだ寒い日が続いております。
空気も乾燥が続き、お肌や感染症の流行にも影響が出ています。
皆さんもまだまだ流行中の風邪やインフルエンザにお気を付けてお過ごし下さいませ。
今回はこの『乾燥』についてお話ししようと思います。


一番基本的なことですが、なぜ冬は乾燥するのでしょうか?
冬になると、−50℃にもなるシベリアで発生した高気圧が日本海を渡って日本海側に雪を降らせます。雪を降らせた風はその後、山を越えて太平洋側に吹き降りますが、日本海側ですでに雨や雪を降らせて水分を放出しているため、太平洋側に吹き降りる風はとても乾燥しているのです。
さらに冬は暖房を使用します。空気は暖めると乾燥するので、乾燥している冬の大気が暖房により、さらに乾燥が進むというわけなのです。

乾燥、とても厄介です。空気が乾燥すると、様々なリスクが発生します。
よくあげられる肌荒れ以外にも実はたくさんあるんです。

◆風邪 
風邪症候群の原因は80〜90%がウイルスの感染です。ウイルスとは生きた細胞の中だけで増殖する特異な微生物のことです。風邪のウイルスは200種類以上あると言われていますが、多くは冬場の低温乾燥の環境で空気中の飛散量が増加します。
皆さん、「ゴホン10万、ハクション100万」という言葉を聞いたことはありますか?風邪を引くと1回の咳で10万個、1回のくしゃみで100〜200万個のしぶきが空気中にばらまかれます。このウイルスは湿度の高い状況では、すぐに地面に落下してしまいます。ところが湿度が40%以下になると…ウイルスの水分が蒸発して軽くなるため、落下速度は緩やかになり約30分間空気中を漂うことになるのです!!!!
空気中のウイルスは人が息を吸い込む時に鼻や喉から感染して流行しやすくなると考えられています。また、空気が乾燥すると、鼻や喉の粘膜が乾燥して炎症を起こしやすくなり、ウイルスを防御する力が衰えていきます。
こうしたことが重なって空気が乾燥する冬には風邪を引きやすくなるんですね…。

◆肌荒れ 
皮膚の表皮では、皮脂と汗が混じり合って皮脂膜を作り、天然のクリームとなって皮膚を覆っています。ところが、冬は寒気が肌の血行や新陳代謝を悪くして皮脂や汗が出にくくなり、冷たく乾燥した風が肌の水分を奪うので、皮膚のターンオーバーに必要な水分が不足して肌が荒れてしまいます。

◆脱水症状
冬になると、汗もかいていないのに喉が渇くことはありませんか?実は体の水分が失われるのは、汗のせいばかりではありません。なんと息をしているだけでも体の水分は奪われているのです!汗をかかないからといって水分を取らないでいると、喉がカラカラになるだけでなく、体全体が想像以上に乾いてしまいます。
この他にも、火災が起きやすくなることも。乾燥って本当に厄介で怖いものです。

この乾燥、どうにかする方法をご紹介したいと思います。
ご自身の生活スタイルに合うものをどうぞ取り入れてみてください!
○観葉植物やコップの水で湿度調節
 観葉植物には室内の乾燥を和らげる効果があります。球根の水栽培も水分が蒸発して室内の湿度を上げてくれます。また、コップに水を入れておくだけでもピンポイントではありますが湿度を上げてくれます。ただしこれらの効果は緩やかなので、暖房は20度くらいにして暖めすぎないことも大切です。

○タオル・洗濯物を干す
濡らしたタオルや洗濯物を室内に干すと、濡れたタオルや洗濯物の水分が蒸発して室内の乾燥を和らげる効果があります。有効的に使ってみましょう。ただし洗濯物を大量に室内に干すと湿度が高くなりすぎて、洗濯物が乾かないということがあるので注意が必要です!

○石油ストーブを焚く
「暖房器具を使ったら乾燥するんじゃないの?」と思われる方もいるかもしれません。実は、石油を燃焼させると水が発生するのです。もちろん高温下なので、液体ではなく気体です。この水分があるおかげで、石油ストーブを使いながら加湿出来ちゃいます。

○加湿器
「今まであがった方法じゃなかなか加湿が出来ない!」という場合、加湿器です。水を補給しさせすれば勝手に加湿してくれるので、忙しい人にはとても便利です。しかし加湿のし過ぎは結露を招き、カビやダニも発生しやすくなるので、湿度計などで室内の湿度調節を行いましょう。

また、肌が乾燥してしまった!そんな時の改善対策もご紹介します!乾燥肌でお困りの方がいらっしゃいましたら、出来る範囲で行ってみると改善するかもしれません!
 ○暖房は必要最低限にとどめ部屋の湿度に心がける
 ○熱いお湯の入浴は避ける →熱いお湯は必要以上に皮脂を奪ってしまいます
 ○液体やクリーム状の洗剤は多量使用に気を付ける
 ○タオルでのこすり過ぎに注意
 ○入浴後は保湿剤を塗る
 ○下着や寝巻きは水分を含む綿製品を着用

ついでに風邪予防もご紹介しちゃいましょう!
○栄養管理
 何と言っても風邪にも負けない栄養管理ですよね。細菌やウイルスと戦うための免疫物質のもとになるたんぱく質やミネラルをしっかり摂り、ウイルスの侵入を防ぐ役目がある鼻の粘膜を作るもとになるビタミンA・C・Eなどをきちんと摂ることが大事です。普段からしっかりとバランス良くこれらの栄養を取ることで風邪に負けない健康な体を作ることが出来ます。

○口呼吸は免疫力の低下を招く
 普段から口呼吸をしている人は、外部からウイルスや細菌が侵入する際に鼻にあるウイルス探知の鼻咽頭を通過しないため、ウイルスと戦うための免疫物質の増加を促す信号がリンパ節に発信されず、免疫力が落ちウイルスに負けやすい状態となってしまいます。そうなると風邪にもかかりやすくなるというわけです。口呼吸の人は鼻呼吸を意識して直していくよう心がけてみましょう!

○手洗いが大事!
 外から帰ったらまず手を洗いましょう!なぜなら手についたウイルスが食事などの際に体内に侵入してしまう恐れがあるからです。

☆咳エチケットを☆
 もし風邪を引いてしまった場合は、咳エチケットを!咳やくしゃみが出そうになった時・出る時は鼻と口をティッシュで覆い、その後は手を洗うかウエットティッシュで拭きましょう。
そして出来るだけマスクを着用しましょう。周りの人に移さないようにすることも大事なことです!!「ゴホン10万、ハクション100万」です!また、吐息には水分が含まれているのでマスクを着用することにより、加湿効果が上がって喉に良い環境を作りますよ。

まだまだ寒さと乾燥が続きます。ご自身が出来る範囲で対策を行い、
乾燥と風に負けず寒い冬を乗り越えていきましょう!

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